性同一性障害を理由とする名の変更
目次
性同一性障害を理由として名の変更許可を得て改名する
性同一性障害を理由として家庭裁判所の名の変更許可が認められる場合があります。
家庭裁判所での名の変更許可が認められると、戸籍の名前を変更して改名をすることができます。
ここでは、性同一性障害などに罹患している方が、家庭裁判所に名前の変更許可を申し立てて、許可を得るためにどのような手続きを行うかについて説明します。
性同一性障害を理由を理由とする名の変更許可を行うには
性同一性障害を理由とする場合、戸籍上の名前と、生活をしている際の名前が異なることから、社会生活上の支障や、精神的な苦痛などを理由として、家庭裁判所から名の変更許可が認められるケースがあります。
このため、性同一性障害を理由として、裁判所に名の変更許可を求めるには、性同一性障害であることの証明のほか、その事情を説明した資料を準備する必要があります。
性同一性障害を理由として名の変更許可を申し立てる
性同一障害を原因として申し立てをする名の変更許可の申し立てについては、通常の名の変更許可の申し立てと同様に、その理由を説明し、説明書類を添付して、裁判所に申し立てることになります。
性同一障害により名前の変更を希望する理由が「正当な理由」であると判断されるには、一例として、次のような資料を提出することになります。
診断書:ジェンダー外来、心療内科、精神科等の病院で発行された、性同一性障害と判断された診断書
受診経歴:性同一性障害として医療機関で治療を開始するまでの経緯とその後の受診歴
状況説明書:性別と名前が一致していないことによる具体的な支障の説明
通称名の使用履歴:通称名を使用している場合は、その使用を立証する資料
これらの資料を提出したうえで、家庭裁判所に、名前を使用する上での社会生活上の支障や、精神的な苦痛などを説明して、家庭裁判所が名の変更の許可、不許可を判断していきます。
性同一性障害を理由とする資料が少ない場合の申立て
性同一性障害を理由として、家庭裁判所に申し立てをする場合は、その事情を説明する資料を合わせて提出しますが、資料ができない場合であっても、家庭裁判所の許可が認められるケースがあります。
家庭裁判所は申し立てられた内容と資料などから、総合的に判断されるため、事情があると判断されれば、通称名の使用歴がない方であっても、名の変更許可が認められる場合もあります。
ただし、診断書や資料が用意できる場合であっても、名の変更を認める正当な事由がないと判断すれば、名の変更許可は不許可となることから、資料が用意できる場合でも、事前に十分に準備をして申し立てをする必要があります。
性同一性障害を理由とする名の変更許可の審判後
家庭裁判所での名の変更許可が認められた場合は、その後、市区町村役場に名の変更許可が認められた審判書を提出して、戸籍上の名前を変更し、改名の手続きが完了します。
市区町村役場で、戸籍上の名前の変更が完了した後は、戸籍謄本を取得して、運転免許証や、銀行口座の名前の変更をおこなっていきます。
仮に、申立てが不許可となった場合は、その結果を不服として即時抗告を行う、または準備期間をおいた後に再度の名の変更許可の申し立てを行う等の手続きを行うことになります。
性同一性障害を理由とする名の変更許可のまとめ
性同一性障害を理由として、名前の変更を希望する場合は、家庭裁判所に名の変更許可を申し立てることにより、名前の変更が許可され、改名ができる場合があります。
しかし、性同一性障害を理由とする場合は、その事情を説明する資料を提出したうえで、性同一性障害による社会生活上の支障を述べていく必要があります。
当サイトの運営事務所でも、性同一性障害を理由として、名の変更許可を認められた事例がいくつもあります。ただし、家庭裁判所の名の変更許可は必ず認められるとは限りません。
名の変更許可申し立てに不安のある方は、当サイトまでご相談ください。